9.11テロ疑惑関連資料集
9.11への取り組みは、犠牲者の視点から

9.11への取り組みは、犠牲者の視点から

 2001年9月11日の同時多発テロから8年以上が過ぎました。私がこの問題を取り上げてきたのは、24人の日本人犠牲者を含む3千人近い無実の人々の命が失われたにも拘らず、その多くのご家族などの要請にも拘らず、その事件の事実関係、犯人の実態、各種の報告などについての多くの疑問点が明らかにされていないからです。

 また、この9.11を機に、アフガニスタンやイラクでの戦争で数十万人とも言われる無実の市民が殺され、9.11の被害者以上のアメリカ兵が犠牲になっているという悲劇があります。こうした事実や、2008年からのアメリカ発の金融危機も含め、ブッシュ政権による「テロとの戦い」と「戦争経済」の検証への動きが、米国や英国の議会、国連機関などでも始まっています。

陰謀論に言及したのは、私ではなく石破防衛大臣

 ところで、週刊文春 2008年1月24日号において、『「9・11」陰謀説をブチあげた民主藤田幸久に「あの人ダイジョブ?」』と、書かれましたが、私は誰かの陰謀などと言及したことはありません。

 むしろ、2008年4月24日の参議院外交防衛委員会での私の質問に対し、石破防衛大臣が陰謀論とか言う言葉を用いているのです。

 石破防衛大臣は「私は、むしろそれをやることによってだれが何を得るのだということ、真珠湾においてもよく謀略論というのがございますが、それをやることによってだれが何を得るのかということもよく理解をして検証してみなきゃいかぬだろうと思っております。(中略)新しい世界の秩序というのはどうつくるべきなのかというような視点からもいろんな議論、検証は必要だというふうには思っております。」  と答えているのです。私がそういう言葉を使っていないのに大臣の方でこういう言葉を使っていたのです。

テロ被害者支援検討を河村官房長官が指示

 2008年10月22日の参議院本会議での私の質問に答えて、河村建夫官房長官は、テロなどの被害者に対する支援制度の検討に入るよう政府に指示してくれました。

 これを踏まえて、同年11月と12月、2009年5月の3回、国会内で9・11テロ被害者のご家族数名と内閣府、外務省、厚生労働省、警察庁からのヒアリングが行われました。2回目からは「テロ等被害者・家族支援政策研究会」という仮称の勉強会として開催し、自民党、民主党、公明党、共産党、国民新党の衆・参国会議員も呼びかけ人として名を連ねたり、出席してくれました。

 主管の内閣府は、「海外における犯罪被害者等に対する経済的支援」に関する欧米諸国の制度調査として、制度の有無、趣旨や理念、給付内容、被害認定方法などの調査に着手しています。現行法では、「現行の犯罪被害者給付制度の対象を維持すべき」としてテロ被害者は対象とならないが、「過失犯ないし海外で身体犯被害を受けた日本人に関しては特別の理由がある場合、対応を考慮すべき」としています。また、「テロ事件の被害者等に対する特例的措置について」は「特別の救済策をとることをあらかじめ包括的に定めておくことは困難」としつつも、「国家または社会に対するテロ行為により無差別大量の死傷者が生じた場合には、当該テロ事件を指定して特別措置法を制定するなどにより、国の対処方針を決定し、被害者等の経済的救済を図る」という考え方です。

 政権交代が起きた昨年以降は、泉健太内閣府政務官のもとで、911テロ被害者家族の皆さんに対するヒアリングを行うなど、更に検討が進んでいます。

地道な国会質疑を出版

 私はこれらをまとめて「9.11テロ疑惑・国会追及―オバマ米国は変われるか?」(クラブハウス)を4月に出版しました。

 4月8日の出版記念会には、鳩山由紀夫幹事長(当時)、輿石東参議院議員会長など30人以上の民主党国会議員の出席に加えて、谷川和穂元防衛庁長官・法務大臣などの自民党関係者、黒河内康元スイス大使などの外務省関係者を含む300人以上の方々にご出席いただきました。

 出版記念会で私と対談して下さった政治評論家の岩見隆夫さんや森田実さんも、昨年からこの出版の後押しをして下さいました。テレビ朝日サンデープロジェクトのレギュラーの高野孟さんからは[9・11直後の第1報から『テロはどれほど被害が大きくとも犯罪の一種であり、戦争で対処しようとすれば泥沼に嵌る』と主張し続けています」。ジャーナリスト嶌信彦さんからは、「日本の国会での追及が世界へ発信され究明に動くというのは画期的なことです」というメッセージを頂きました。

 本の帯には日本総合研究所会長の寺島実郎さんが、「911を合理的に直視、再考することの大切さ」というメッセージを書いて下さいました。

 ある県の知事さんからは「私は、9.11テロは、テロとの戦いへの大義が欲しかったのではないかと思います」とのメッセージを頂きました。

外交事件の歴史を解説する孫崎亨元駐イラン大使、前防衛大学校教授

 私の本の直後に、駐イラン大使や駐ウズベキスタン大使を務めた元外交官で、防衛大学校教授を務めた孫崎亨教授が、「日米同盟の正体 迷走する安全保障」(講談社新書)を出版しました。この外交のプロである孫崎さんが、南北戦争、真珠湾攻撃、9・11同時多発テロといった事件の流れについて分析しています。

 第2章「21世紀の真珠湾攻撃」は、FBIやCIAが、ビン・ラディンが米国の攻撃を計画しているという警告を度々発していたがブッシュ政権はそれを無視した、というアル・ゴア元副大統領の『理性の奪還』の以下の引用から始まっています。

 「9.11同時多発テロはある日突然、過激派のイスラム教徒が行動を起こしたという以上のものがある」。

 「最強の軍事組織の堅持を望むグループが9.11同時多発テロの発生を誘発することはなかったのであろうか」。

 そして、「おそろしい話しであるが、同時多発テロ事件が生じたとき、国防省、国務省の幹部は第二の真珠湾攻撃を歓迎する立場の人々が占めていた。勿論ブッシュ大統領も承知していただろう」と。

ブッシュ大統領の戦争に対する米国議会や国連、英国における検証の動き

 頭で述べたブッシュ政治の検証の動きには以下があります。2009年2月アメリカ上院のリーヒー司法委員長は「ブッシュ政権による拷問の指示やイラク戦争開始などの8年間の“過ち”を検証する真理・和解委員会」の設置を提案しました。また、1月に国連の拷問に関する特別報告官のノワク教授は「ラムズフェルド元国防長官が拷問を承認したという充分な証拠があることを国連に報告した」と述べました。

 2009年1月には英国のミリバンド外相が「ガーディアン紙」に「“テロとの戦い”は誤りだった」という論文を寄稿しました。これまでにもブッシュ大統領の盟友のブレア政権で、テロとの戦いについて発言して職を辞した主要政治家が3人もいます。ミーチャー元環境大臣、ショート元国際開発大臣、そしてクック元外相です。

日本を不幸にする年次改革要望書

 ブッシュ政権の検証が日本で関心を高めているもう一つの理由は、ブッシュ政権の日本に対する軍事面以外の押し付けも明らかになってきたからです。米国政府が毎年、日本政府に対して規制や制度の改革を求める「年次改革要望書」です。これは内政干渉とも言えるアメリカの国益の追求で、日本の国益に反するものも多く含まれています。

 例えば、郵政民営化は郵便貯金や簡易保険などの国民の財産を外資に売り渡す側面が強く、医療改革は、外資系保険を利することが目的となる一方で患者の医療費負担増や医療報酬減額が医療崩壊へと繋がっています。1999年の労働者派遣法改正により製造業への日雇い派遣が原則解禁となり、今日の「派遣切り」を容易にしました。主な要望は以下の通りです。

1997年 独占禁止法改正・持株会社の解禁

1998年 大規模小売店舗法廃止、大規模小売店舗立地法成立、建築基準法改正

1999年 労働者派遣法の改正、人材派遣の自由化

2002年 健康保険において本人3割負担を導入

2003年 郵政事業庁廃止、日本郵政公社成立

2004年 法科大学院の設置と司法試験制度変更

2005年 日本道路公団解散、分割民営化、新会社法成立

 いずれにしても、日本を含む世界の多くの人々の命と、生活と社会を大きく変えたブッシュ政権と歴史の事実の検証が必要です。皆様の更なるご協力とご支援をお願い申し上げます。